なりたい職業、バイクレーサー

今回は雑談です。
レースに出始めた時の頃の話を書きます。

バイクレーサーになるには、どのようなことをするとなれるか。
10代の私は分かりませんでした。
漠然と、バイクに乗っていればレーサーになれる方法が分かると思っていた節があります。
実際は、友人や通っていたバイクショップの店長に聞いたり、バイク雑誌を読んだり、レースを見に行ったりして、徐々にレース業界の知識が増えていきました。
ですが、レーサーになるための直接的な情報はたまにしか入ってきません。
今となっては、バイクを買い、地方選手権にエントリーし、ポイントを獲得して国際へ昇格と、1行で表現できます。
今ほどICTの知識があれば、検索して情報収集することもできたでしょうが、当時は周囲の人や雑誌が主たる情報源でした。

私はバイクが好きで、16才で原付と中型の免許を取得し、レーサーレプリカを中古で購入しました。
いじることよりも乗ること方が好きで、アクセルを開けて加速することも大好きでした。
ただアクセルを捻って、エンジンが唸りを上げる、自分の行動にバイクがリアクションしてくれることがとても楽しく、夢中でした。

地元の友人の中にはバイク好きな子もちらほらいて、山を走りに行ったり、レースを見に行ったり、ミニバイクレースに参戦するってことで応援に行ったり。
そんな友人たちでミニバイクの耐久レースに参戦してみようということになりました。
私はツーリングしたりレース観戦したりするくらいのもので、レース経験なんてもちろんないのですが、「レースメンバーに入れてほしい」と強く希望しました。
まぁ、友人全員レース初心者ですが。
そんなレース初心者の集団が映画やドラマのようにレースで活躍するはずもなく、結果はエンジントラブルによるリタイヤ。
協調性もない10代の若者たちは醜く責任のなすりつけあいを少しして、人間関係をほんの少し勉強しました。

リタイヤしたものの、サーキットをバイクで走り、他人と競い、抜きつ抜かれつ(抜かれつ抜かれつ)バトルする体験はとても強烈なインパクトがありました。
控えめにいって、くっそ楽しかった。
「レースを職業にして、食っていけたら最高だな」と思い、草レースに参戦するようになります。
今の私なら草レースに出てもプロにはなれないよと伝えますが、当時のがむしゃらさしか無い私は、とにかくレースに出ることで頭がいっぱいでした。
給料の全部をタイヤ・ガソリン・オイル・チェーン・ブレーキパッド、消耗品に費やし、たくさん走りました。
どこを、とは聞かないでください。

そして迎えた生まれて初めての草レース。
出場した草レースは、予選も決勝も当日に行われ、エントリー台数的に予選落ちもありません。

予選結果は最下位

あれ?思ってたのとなんか違う。

思い切りアクセル開けて

怖いのを我慢してギリギリ目一杯ブレーキして

これでもかとバイクを寝かし

また思いっきりアクセルを開ける

一生懸命走って最下位という予選結果に愕然としていましたが、午後には決勝があります。
気を取り直して、午後に備えて手伝いに来てくれた友人と決勝に向けて作戦会議をしました。
何がダメだったのか、友人が言うには、

「アクセルを開け始めるのが遅い」
「ブレーキかけるの早すぎ」
「マシン全然寝てない」
「お前ツーリングの方が速かったぞ」

はぁ!?こっちは転けるかどうかのギリギリまで攻めとるわ!なめんな!
と言いたくなる気持ちをグッと抑え、

嘘つけ!全開で走っとるわ!

と言ってやりました。
そこからは最下位ライダーとそのお手伝いの熱い話し合いです。

朝コンビニで買ってきたおにぎりを友人と食べ、決勝のスタート前チェックへ向かいます。
スタート進行もつつがなく進められ、グリッドへつきます(最後尾の)。
予選で走った走行イメージをもとに、より攻めるイメージを持って決勝のスタートです。

結果から書くと、
周回遅れの最下位でした。

泣きました。
こんなはずじゃない。
俺はもっと速い。
何かの間違いだ。
悔しい。
他のライダーはおかしい、ズルをしている。

おおよそこんなことを考えていました。
いやー思い出すだけで悔しさが蘇ってきます。

ただ、辞めようとは一瞬も1ミリも思いませんでした。
ただ悔しくて、自分が遅いと認めたくなくて、認められなくて、次のレースで自分が速いと証明したくて。
早く速くなりたいという気持ちだけでした。
あとは繰り返し練習してました。

次のレースでは、優勝。
していればカッコいいのですが、していません。
最下位は脱出できました。
30台中15位とか中間くらいの結果でした。
まぁ大成長ではあるのですが、満足できない私はさらに練習を重ね、次のレースに挑んでいきます。

もうこの頃はバイクに、レースに夢中でした。
レーサーになりたいと強く思うようになった、初めての草レース参戦経験。
やればやるほど夢中になりますね。

昔話にお付き合いいただきありがとうございました。
選手権に出始め、国際に昇格するときの話も書きたいと思います。

ではまた。

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