バックステップを使うと曲がらない?
そんなことは無いと思いますよね。
しかし、場合によってはあり得る話です。
まず、カスタムを話すにあたってカスタムしていないノーマル状態について知っていただきたいと思います。
とある漫画でも描かれていましたが、ノーマルこそ至高のセッティングだと考える人もいるかもしれません。
ノーマルの状態は、万人にとって扱いやすく、さまざまなコーナーや路面状態に対応しやすいよう設定されています。
それはタイヤのサイズ、キャスター角、トレール量、ハンドル高、シート高など様々な要素をバランス良くデザインされています。
もちろんステップ位置も。
市販車を購入する人は、身長の高い人も低い人、座高が高い人、股下が長い人、様々です。
皆さんが購入されたバイクに乗って、走るのはオーナーである皆さんでしょう。
では、万人向けのデザインではなく、自分オリジナルのカスタムを施して自分専用にしてしまいましょう。
カスタムをテーマに書くとして、初めに取り上げたかったものがステップです。
ステップをカスタムする動機として最初に挙げられるのは、バンク角の確保では無いでしょうか。
私は、バイクに乗り始めたのは10代のころでした。
だんだんペースを上げて走れるようになってくると、カーブでバイクをバンクさせると地面にステップが接地することも増えてきました。
バックステップを購入して取り付けたら、もっとバンクさせることができる!もっと速い速度でカーブを曲がれる!そう思っていました。
全然間違っていることでは無いのですが、実はもっと大事なことがあると、選手権を走るようになって気が付きました。
それは、ステップはライダーの動きをマシンに伝える道具であるということです。
単にバンク角を確保するためだけであれば、適当な高さまであげれば済む話です。
ですが、極端にステップ位置を上げてしまうと、乗りにくいことこの上ありませんよね。
全日本ライダーの中には、1レース走り終えたらステップの角度が変わるほどに踏み込みの強いライダーもいます。
それだけコーナーに侵入する際に素早くバンクさせたい、バンクのきっかけにしたいということです。
ライダーのアクションを適切にバイクに伝えるには、ライダーの体格に合った高さ、前後の調整が必要です。
低すぎたり、高すぎたりしたらステップに10の力を伝えたときに5だったり6だったりとロスが発生します。
コーナーリング中も、外足の踏ん張りがきかずにハンドルにしがみついているかもしれません。
それだと、バイクが持つ本来のコーナーリング性能をライダーが制限してしまうことになります。
もったいない。
マフラーや、電子制御のパーツをカスタムするくらいなら、まずステップを自分の体格に合ったものに変えて、乗りやすくカスタムすることを強くお勧めします。
扱いにくいハイパワーより、標準のパワーを思い切り振り回してライディングする方が
ずっと気持ちいいですよ!
カスタムはステップからがおすすめです。というお話でした。
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