曲がるための道具

この記事を読むとバイクは今よりもっと曲がる!…かもしれません。

前回の記事で上半身の使い方について書きそびれたので、書いていきます。

今回書くことは、上半身のパーツでコーナーリングに影響の大きい2つのことについてです。

まず1つ目は「頭」です。
頭の使い方については、教習所に通っていた時から言われていると思いますが、「曲がる方向を見る」ことが重要です。
私も選手権に出ている現役の時は、練習や本番で意識していたところです。
コーナーのクリッピングポイントを睨みつけたり、コーナーリング中は意識的にイン側のスポンサー看板を見たりしていました。
理屈でいうと、「見る」と言う行為は眼球だけで完結していません。
進行方向を見ると、眼球、顔面、首、肩、背骨、腕が追従して曲がる方向へ向きます。
見るという行為は、ハンドルをよりイン側に切らせ、重心をイン側へ移して遠心力に対抗しています。
motoGPや全日本ロードレース選手権などのライダーを見てもらえれば伝わるかもしれませんが、コーナーリング中に「グイッ」とヘルメットが内側を向く瞬間があると思います。
どこ見てるの?って思うくらいイン側に顔を向けます。
これが効果あるので、ぜひ試してみてください。

次に2つ目、肩です。
一般的に、直線を走っている時、左肩と右肩の先端どうしを線で繋いだ線があるとして、その線はハンドルの先端同士を繋いだ線に対して、並行になっていると思います。
コーナーリングしている時はどうでしょうか、左コーナーを曲がる際、肩間を繋いだ線がアウト側を向いていませんか。
1つ目の「見る」ができている人はおそらくイン側に肩が向いていると思います。
それでいいんです。
肩がアウト側に開いていると、イン側のハンドルを手で押さえて、バイクが曲がろうとする力をライダーが止めてしまうことになります。
バイクが曲がろうとする力を活かして、高いコーナーリング速度を実現させましょう。

1と2で紹介したことは、結論として「ハンドル」に行き着きます。
「バイクはタイヤの向いている方向に進む」ということを忘れないでください。

バイクのエンジンを切って、押してみてください。
バンクさせてもほとんど曲がりません。

ハンドルを切ってみてください。
すごく曲がります。

最後におまけ話。
初めてサーキットの体験走行をした時の話ですが、直線を全開で走っている時に、目一杯伏せて加速を感じていました。
自分では、GPライダーのようにカッコよくマシンに伏せて駆け抜けている様子を想像していたのですが、ホームストレートで写真撮影してくれた友人のカメラには、「ツーリングかな?」ぐらいにしか伏せていない自分が写っていました。
結構ショックだったことを覚えています。
その時の先輩のアドバイスは、「顎をタンクに付けなさい。そしたらきちんと伏せられているから。」でした。

何事も目安が大事ですね。

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